
カルダミリは丘の上に位置するオールド・カルダミリと海岸近くに位置するカルダミリの二つの部分に分かれている。
オールド・カルダミリにも人は住んでいるが、数は少ない。古い建物を利用した高級なホテルが何件か立っている。
車でカルダミリに到着すると、現代の町のメインストリートに入る。オールド・カルダミリ(パリア・カルダミリ)に行くには、丘の方に上がってゆくことになるが、カラマタ方面の町の外れにこのような板が立っているので、ここから上ってゆくと分かりやすい(ムルジノスの党も聖スピリドン教会もオールド・カルダミリにある)。
ガイドブックによると、町の中心部にも「オールド・カルダミリ」と書かれた標識が出ているそうだが、私たちは見つけられなかった。

オールド・カルダミリに続く道。
カルダミリの名前は、ホメロスの『イリアス』にも現れ、起源はミケーネ時代にまで遡るものと考えられるが、古代の遺跡はほとんど残っていない。

途中にある橋。夏だったので川に水はほとんどなかった。

橋の近くにある泉。ビザンツ後期かオスマン・トルコ時代のものだろう。ギリシャ語の碑文が埋め込まれていた。

ムルジノスの塔(修復中)が立つ、オールド・カルダミリの中心部分。
18世紀、カルダミリは地方豪族トゥルパキス=ムルジノス家の支配下にあり、この部分は一家の居住区だった。

ムルジノスの塔の周囲は防衛壁で囲まれている。これは建物と壁の一部。
ギリシャ独立戦争が始まった年である1821年には、カラマタ攻撃を控えたテオドロス・コロコトロニスとペトロベイ・マヴロミハリスがここを基地として使った。

十八世紀の聖スピリドン教会も防衛壁の中に立っている。
私たちが訪れた時には扉が閉まっていて、中に入ることはできなかった。

入り口部分には美しい彫刻が施された白い大理石が使われている。
教会自体はビザンツ風なのだが、どこか西ヨーロッパ的な洗練が感じられるのが興味深い。

窓の装飾。

鐘楼の形はギリシャの教会として独特である上、奇妙な彫刻が施されている。

新市街から見たオールド・カルダミリ。写真の中央部に教会の鐘楼が判別できるだろう。
参考文献
- Robin Barber, Greece (Blue Guide), London- N.Y. 2001 (Revised reprint of the 6th edition of 1995), p. 279.
- Dana Facaros and Linda Theodorou, Peloponnese & Athens (Kadogan Guides), 2nd edition, London : New Holland Publishers, 2008, pp. 417-420.
- Andrew Bostock, Greece: The Peloponnese (Bradt Travel Guides) Bucks, England: Bradt, 2010, pp. 143-147.
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