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ポルトガル旅行記

15) エヴォラのローマ神殿と水道(2008年10月14日火曜日)

Temple of Diana, Evora
 エヴォラは古代から存在する都市で、ローマ時代には、エボラ・リベラリタス・ユリア (Ebola Liberalitas Iulia) という名前だった。

 「リベラリタス・ユリア」という部分は、ローマ内戦時代にユリウス・カエサルを支持したため、勝利を収めたカエサルから、感謝の印として、ムニキピウムの地位とともに与えられた称号。

 現在でもエヴォラにはローマ時代の遺跡がいくつか残っていて、中でも最も規模の大きいのがこの神殿。南側から近づいてゆくと、このように突然その姿が見えてくる。

エヴォラのローマ神殿
 これは、反対側(北西側)から見たところ。左横に見えているのはサン・ジャン・エヴァンジェリスタ教会。

 この神殿が造られたのは紀元一世紀、二世紀に改修された。ポルトガルにある古代神殿としては最も保存状態がいい。

 通称「ディアナ神殿」と呼ばれているが、ディアナ神に捧げられたものであるという説に歴史的根拠は存在せず 、恐らくはローマとアウグストゥス、もしくはユピテルに捧げられたものではないかと考えられている。

コリント式柱頭
 柱頭はコリント式。現存する柱の数は十四本。

 この場所は、ローマ時代エボラ市のフォルム(都市の政治的・商業的な中心地である広場)だったらしい。
Evora
 神殿の崩れている部分。

 外に見えている部分は大きなブロックで、見えない部分は小さな石とコンクリートで造られていることが分かる。

ロイオス修道院
 この神殿に面して立つポウサダ・ドス・ロイオス。

 現在では高級ポウサダだが、もともとは十五世紀後半に建てられたロイオス修道院の建物。ルソ・ムーア様式で、エヴォラの水道を建築したのと同じフランシスコ・デ・アルーバ (Francisco de Arruba) の作品とされている。

 宿泊料金は、冬なら一人一泊50ユーロ程度から泊まれるらしい(興味のある方はこちらでどうぞ)。レストランで食事だけすることも可能で、大体3コースで一人30ユーロ程度(ワイン料金別)。

Sao Joao Evangelista
 こちらはロイオス修道院に併設されていたサン・ジョアン・エヴァンジェリスタ教会の入り口。「マヌエリーノ様式」と呼ばれるポルトガル独特の後期ゴチック様式。

 私は入らなかったが、入場料は3ユーロ。教会内部はアントニオ・オリヴェイラ・ベルナルデス作のアズレージョで装飾されているのだそうだ。

Evora
 古代神殿は町の高い部分にあり、町を見下ろす、とまでは行かないが、展望することができる。


 下は、市壁に残る中世の門の一つ。左は外側から、右は内側から見た時のもの。
Evora Evora
 いつのものなのかは分からないが、明らかに何段階かの過程を経ている。最も古い部分は古代の遡るかもしれないと思ったが、確証は無い。

Evora
 こちらは十六世紀前半に建造された水道橋、アクエドゥト・ド・アグア・プラタ (Aquaduto da Água de Prata)。ドン・ジョアン三世が、先述したフランシスコ・デ・アルーバに建設させた。

 なぜかこの部分は角になっていて、道がその下を通っている。

Evora
 水道が高くなっている部分には、橋脚(?)の間に家が建ってしまったりしている。

Evora
 水道が旧市街から出る地点では、こんなに高くなっている。

 イスタンブールに残る、ウァレンス帝の水道橋(紀元四世紀)をちょっと思い出した。

Evora
 散策中に見かけた、他の古代もの二点。

 こちらは、サン・セバスティアン通り、バス・ターミナルと市壁との間にあるデメディオス修道院(たぶん、今は修道院としては使われていないと思う)入り口に展示されていた二つの石。同じように見えるが、手前にあるのがローマ時代の里程標で、向こう側にあるのが先史時代のメンヒル。

ローマ時代の住居跡

 これは、街路から見えるようになっている、ローマ時代の住居跡(一から二世紀)。現代のエヴォラ市が、ローマ時代のエボラ市の真上に立っていることがはっきりと分かる。


 以上、古代のエボラに関しては、もっといろいろ調べられる環境になったらちゃんと書き直したいと思う。

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<参照文献>
The Rough Guide to Portugal. 12th edition. London : Rough Guides, 2007, p. 494-495.
Templo romano de Évora in Wikipedia
Aqueduto da Agua da Prata in Wikipedia

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