正教会の聖体拝領


 聖体拝領とは、キリストの血と肉であるところのワインとパンを身体の中に受け入れることです。

 カトリック教会がイーストの入っていないパン(「聖餅」、パンというよりは薄い煎餅のように見える)を使って聖体拝領を行うのに対し、正教会では普通の白いパンが使われます。

 聖体拝領を受ける時には、お腹の中に何も入っていてはいけません。例えば、朝もしくは昼に聖体拝領を受けるのであれば、朝食を食べてはいけません。

 どれぐらい頻繁に聖体拝領を受ければいいのかについては、神学者の間で意見の相違があります。一般的には、一年間に三回ぐらいが普通のようです。これは、一年に三回受ければ十分だという意味ではなく、それぐらい十分に準備してから聖体拝領したほうがいいという考え方に由来します。しかし、できるならば毎日曜日に受けた方がいいという考え方の人もいます。聖体拝領を受ける前には、告白の秘蹟を受けて、聖職者からの許しを得るというのが基本ですが、毎週聖体拝領を受けるような共同体もしくは個人の場合は、必ずしもその必要はありません。

 カトリック教会で使われるイースト醗酵させていないパン(聖餅)はazymaと呼ばれ、使徒時代からの伝統だと考えられています。しかし実際には、アンブロシウスやアウグスティヌスの証言から、少なくとも四世紀の終わりまでは、普通に醗酵させたパンが使われたことが知られていて、現在の習慣がいつから始まったのかははっきりしません。798年にアルクインが初めて言及していますが、その時点ではすでに確立した習慣だったようです。ユダヤ教では過ぎ越しの祭りの後で、醗酵させていないパンを食べますが、これらのことから考えて、ユダヤ教時代の伝統を継承しているわけではないようです。
 カトリック教会で使われる聖餅は小さく、薄いものなので、噛まずに飲み込むことができ、実際、キリストの肉であるところのパンは、噛んではいけないと決められています。正教会では、パンをワインの中に溶かして飲み込みやすくしてあります。カトリック教会の聖餅は普通のパンのようにパンくずが落ちたりすることがないので、扱いやすいという利点があります。しかし、正教会では、キリストが自らの肉であると言ったパンは、あくまで普通のパンであると考えるので、パンと呼べないようなものを使うことには抵抗があります。

参考文献

Henry Chadwick, East and West: the Making of a Rift in the Church from Apostolic Times until the Council of Florence, Oxford/ Oxford University Press, 2003, pp. 200-201.

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