十字


 言うまでもなく十字架は、イエス・キリストがその身を犠牲にして人類を救済したことのシンボルであり、また、キリストが磔刑の後に復活したことから、死に対する勝利のシンボルでもあります。
 正教徒は、カトリック教徒には見られないほどしばしば十字を切る仕草をします。例えば、ギリシャでバスに乗っていると、突然乗客が十字を切り始めることがありますが、これは教会の前を通りかかったためです。教会に入った時もまず十字を切り、それからイコンにキスします。大きな教会だとイコンが何枚もあるので、けっこう時間がかかります(もちろん全てにキスして回るとは限らないのですが)。
 ミサに出席している時には、それこそ数え切れないくらい十字を切ります。基本的には「聖霊」と「聖母マリア」の名前が出たときに切るのだそうです。  十字の切り方は、右手の親指、人差し指、中指の三本を合わせ、まず、額から胸・お腹に向けて、次に自分の右肩から左肩に向かって右手を動かします。本来はこれを三回繰り返しますが、一回だけのときもあります。「三」という数字は三位一体の三に通じています。カトリック教徒は左から右に手を動かしますので、正教徒とはちょっと違います。
 私の経験では、十字を切ることの方が、イコンにキスすることよりも馴染みやすかったです。

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