正教会の聖職者


正教会で聖職者と見なされるのは、高位聖職である主教、司祭、輔祭職と、下位聖職である副輔祭と読師です。

 カトリック教会と正教会には大きな違いがいくつかありますが、その中の一つは、正教会の司祭と輔祭の中には結婚している人がいることです。

 妻帯が許されているのは輔祭(助祭)と司祭だけで、主教には許されていません。また、結婚が許されるのは聖職に叙任されるまでで、一度叙任された人は結婚することはできません。妻に先立たれた人は、独身者同様に聖職に就くことができます。

 階位には関わらず、修道士は結婚していません。それは、修道士になるための修道の誓いの中に独身の誓いが含まれているからです。修道士の中には、司祭、輔祭となる人もいますし、主教になる人は修道の誓いを立てているのが普通です。

 プロテスタント教会のいくつかでは、女性、同性愛者が聖職に就くことが許されていますが、正教会では許されていません。修道女は存在します。ただ、古代の教会には女性輔祭が存在したことから、女性輔祭制度を復活させようという動きもあります。

 正教会の聖職者は髪と髭を長く伸ばしています。髪は長くなってくると、後ろで結わえます。また、「カソック」と呼ばれる、古代教会伝来の服を着ています。聖職者と修道士がひげを伸ばすことが当然と考えられるようになったのは、六世紀から七世紀までの間で、十世紀には、東西教会の対立の焦点の一つとなっていました。今日でも、カトリックの聖職者・修道士は髭のない人のほうが多いです。

私がバーミンガムでお世話になった輔祭様は、本業が弁護士で、週末だけ教会で奉仕しておられました。子供のころから教会に通い、大人になってからは読師をなさっていたそうですが、神学校に通って聖職者としての訓練を受けられたことはないそうです。正教会では在俗聖職者の伝統も根強く、カトリック教会と比べると、聖職者と平信徒の間の垣根がそれほど高くないようです。

前のページに戻る

copyright notice