ギリシャ正教会


 ギリシャ人のほとんどがギリシャ正教会の信者です。必ずしも全員信仰心が厚いわけではありませんが、ギリシャ正教徒であることはギリシャ人のアイデンティティーの一部をなしているといってもいいほど、ギリシャ人=正教徒という考え方は根強いです。もちろん、これに強く反発する人もいます。

 イタリア人のほとんどがローマン・カトリックの信者であるのと似ていますが、ローマン・カトリックが全世界的な宗教であるのに対し、ギリシャ正教を信仰しているのはほとんどがギリシャ人ですから、ギリシャ正教は国民宗教としての色彩がより強くなります。つい最近まで、ギリシャ人のIDカードには宗教を書く欄があったのですが、EU統合の影響でこれを排除することになると、国民の間で大きな反発が起きたほどです。

 ただ、聖職者らと話してみると、「正教は普遍的な宗教であるから、ある国民の宗教と見ることは間違っている。その意味では、ギリシャ正教という呼称は好ましくない」という意見も耳にします。これはどういうことでしょうか?

 ギリシャにある正教会は、ギリシャを管轄しているため、確かにギリシャ正教会なのですが、他の正教会であるロシア正教会、ルーマニア正教会、ブルガリア正教会なども、それぞれ管轄が分かれているだけで、全て一つの教会をなしているというのが正教会の考え方です。そしてまた、正教会は「唯一の真の教会」なので、ギリシャという地理的・国民的な枠に入れられるのを嫌うわけです。

 その一方で、教会で国歌を歌わせる聖職者もいますので、考え方にはいろいろ違いがあるようです。

 ちなみに、日本にある正教会は、もともとロシア人の布教の結果成立したものなので、ロシア正教会だと思われているかもしれませんが、これはテクニカルには誤りで、あくまでも正教会の一部である日本正教会なのです。正式名称は「日本ハリストス正教会」といい、信者の数は公称で約2万人、自治独立権(アウトケファリア)を有する教会です。公式ホームページはこちらにあります


 
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