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ポルトゥヌス神殿
ローマの神殿の中では最も保存状態のよいものの一つ。

ルネッサンス時代以降、この神殿は長い間フォルトゥナ・ウィリリス神殿として知られていたが、現在では港の神ポルトゥヌスに捧げられたものと考えられている。古代には、この付近にローマの河港があった。
1551年には神殿前階段の付近で、principes Juventutisとしてのガイウス・カエサルとルキウス・カエサル像が発見された(現在がカピトリーニ美術館蔵)。
発掘では、この神殿の下に前四世紀の終わりか前三世紀に遡る神殿の跡が見つかっている。現在残っている神殿は、前80から前70年頃のもの。
柱頭はイオニア式。円柱の高さは8.24メートルある。ポルティコとケッラ(内陣)の四隅にある柱はトラヴェルティーノ岩で、内陣の壁と半円柱は凝灰岩。いずれも古代には、白色のストゥッコで装飾されていた。
872年かその直後に、聖マリアに捧げた教会に転用された。
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神殿正面 |
神殿後背部 |
参考文献
- Amanda Claridge, Rome. An Oxford Archaeological Guide. Oxford/ Oxford University Press, 1998, pp. 253-254
- Filippo Coarelli, Roma (Guide Archeologiche Laterza), Roma-Bari/ Laterza, 2001, p. 380.
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