イタリアへの扉> ラツィオ州とローマ> オスティアの劇場

アウグストゥス帝時代に建造され、セプティミウス・セウェルス時代(後二世紀の終わり頃)に拡張された。
収容人数は3500から4000人。現在、座席は二層までしか残っていないが、もともとは三層あった。座席の間には、四本の階段がある。

ドーム型ヴォールトの入り口を入ると、直接オルケストラ(舞台前の半円形の場所で、現在は芝生が植わっているところ)に通じる。これは、この劇場にしか見られない特徴である。

右に写っているのは劇場を飾っていた彫刻。古代の演劇に用いられたマスクがモチーフになっている。

この劇場は、二世紀の末、皇帝セプティミウス・セウェルスと副帝カラカッラによって改修されている。それを記録するのが、今も劇場の北側に残るこの碑文。二人の皇帝が「奉献したdedicaverunt」と書かれており、あたかも二人が建設したかのようである。見れば分かるように、かつては金属の文字がはめ込まれていた。
参考文献
- Angelo Pellegrino, Ostia Antica (guida agli scavi), Roma/ Soprintendenza Archeologica di Ostia, 2000, pp. 21-22.
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